センター概要
設立趣旨
日本列島は南北3,000kmにおよぶ島々で構成され,その自然は世界でもたぐい希な多様性に富んでいます.これらの島々のうち,四国は面積では本州,北海道,九州に次ぐものの特有な地域生態系を形成しています.すなわち,四国の自然環境は,室戸岬の亜熱帯性樹林,沿岸から低地に発達する照葉樹林,広大な面積を占める人工林,四国山地にわずかに残されたブナ林とその上方に形成される亜寒帯性樹林,四万十川や仁淀川,そして吉野川などの河川と多数の清冽な支流,さまざまな島嶼が浮かぶ瀬戸内海,黒潮に洗われる太平洋沿岸に代表される多種多様な要素を含んでいます.
これまで四国では,野生生物の調査・研究に重点をおいた自然史科学は,大学,博物館,動植物園,一部の環境NGOなどに所属する個人により担われてきたのが実状です.上述のように,四国はひとつの地域生態系に値する自然環境を有しながら,森林生態系の保全と回復を目指す活動を除き,県境を越えた諸機関の連携が乏しいと考えられます.したがって,四国の優れた自然環境を次世代に引き継ぎ,また,社会的・文化的基盤の発展に寄与するためには,四国全域を視野に含めた観点が今こそ必要です
そこで私たちは,自然史科学の研究者ならびに自然環境の現状と未来に関心を寄せる多くの方々を結集し,1)四国の自然史科学の拠点を構築する,2)調査・研究に基づく政策提言型のシンクタンクを担う,3)希少生物の基礎調査・研究に従事する,4)野生生物を中心とする地域生態系の保全と環境の復元につとめる,5)自然史科学の後継者を育成することを目的とした「特定非営利活動法人 四国自然史科学研究センター」を設立しました.
沿革
・2003年4月 NPO法人として設立。高知県須崎市に事務所を置く。
・2013年8月 認定NPO法人となる。
・2014年6月 町田吉彦理事長退任に伴い、濱田哲暁理事長就任。
組織構成
役員
・理事長 濱田哲暁 (日本野鳥の会高知支部)
・副理事長 谷地森秀二(横倉山自然の森博物館)
・理 事 市川文啓 (中土佐町 職員)
石川妙子 (水生生物研究家)
・監 事 山本たまみ(須崎市 職員)
小松大幸 (越知町 職員)
事務局職員
山田孝樹
センター長
2011年に当センターで活動するために高知にやってきました。それまでは、石川県や岩手県で大型哺乳類の調査研究に携わってきました。四国でもツキノワグマを中心に大型哺乳類の調査研究に携わっています。2022年度よりセンター長となりました。よろしくお願いいたします。
葦田恵美子
副センター長
熊本市出身。大学卒業後、長野県や神奈川県、遠くはザンビア共和国などあちこちで野生動物の調査に携わり、高知へは2011年にやってきました。人里に出てきて畑を荒らすサルとの上手なつきあい方を日々考えています。
安藤喬平
主任研究員
埼玉県出身。オーストラリアの大学で野生動物の保全生物学を学び、修士課程では日光・足尾山地でツキノワグマの研究に取り組んできました。2017年から本センター勤務。主にツキノワグマの生態調査や保全活動を担当しています。
柴山理彩
研究員
兵庫県猪名川町出身。岡山の大学で動物生態学を学び、アカネズミについて研究してきました。2023年に高知に来たばかりです。四国の自然、動物をもっと知り、守るために何ができるか考えていきたいです。
山﨑浩司
獣医師
事務局では唯一の高知県出身。センターの設立から携わっています。傷病野生鳥獣の保護治療や、調査の際に動物への麻酔処置や健康観察をしています。また、カメラが大好きで被写体を求めて県内外を走り回っています。